心理カウンセラーになりたい人のためのHOWTO

心理カウンセラーの資格取得後の求人状況

心理カウンセラーの資格取得後の求人状況

心理カウンセラーとは、仕事や家庭、人間関係などに悩む相談者の心の内を傾聴し、共感や復唱などを織り交ぜて、その人が抱えている問題を整理したり、解決に導いたりするスペシャリストです。ストレスの多い現代社会において、支えを必要とする人が増え続ける中で、認知度や需要が高まり、今とても注目されている仕事のひとつと言えます。

そんな心理カウンセラーの活躍の場は、実はとてもたくさんあります。ビジネスの現場で悩んでいる人の心の問題を手助けすることはもちろん、医療の現場において心配や不安を抱える人の心の負担を軽くしたり、教育現場で子どもたちの心の発育をサポートすることもできます。

もちろん仕事としてだけではなく、家族や友人といった身近な人の心の悩みに寄り添って支えてあげることもできるなど、日常生活にも活かしていくことができる一生モノのスキルでもあるでしょう。

また、多種多様なのはその仕事内容だけでなく、働き方もご自身のライフスタイルや理想に応じて様々選択することができます。たとえば家事や育児と両立させて、パートタイムで働きたい人や、自宅を職場にして独立して働きたい人にも、心理カウンセラーは選ばれているのです。

心理カウンセラーとして活躍できる場所

カウンセリングについての考え方や、カウンセラーの理論、受容・共感・自己一致などを通し、相談者の心の問題を解決できるようサポートするためのスキルやアプローチ方法について学び、またそうした知識を活かして誰かの役に立ちたいと考える人であれば、心理カウンセラーとして、以下のような場面で活躍することができます。

一般企業

一般企業

一般企業においては、社員の精神的・心理的な悩みを専門的に扱う「企業内カウンセラー」として、従業員の心の健康を維持するため、また職場内での人間関係を調整するための窓口として働くことができます。

ただし、企業内カウンセラーとして身を固めて仕事ができるようになるまでには、少し時間がかかるかも知れません。と言うのも、たとえばその会社の総務部や人事部に就職し、うつ病で長期休職をしている社員のメンタルケアや、セクハラ・パワハラなどの社内問題に取り組む中で、その活躍が評価され、企業内カウンセラーとして抜擢されるというパターンや、「産業カウンセラー」の資格を取得して人材派遣会社に登録をし、派遣先の企業に気に入られて正規雇用されるといったパターンなど、一般職からの部署移動やキャリアアップによってそのポジションに就いたという人がほとんどなのです。

企業内カウンセラーに関しては、何らかの職業を経験している社会経験の多い人のほうが信頼度が高く、需要があると言えるかも知れませんね。

平均年収
雇用形態や企業規模にもよりますが、およそ300~400万円です。
求人状況
企業カウンセラーとして働ける求人は少なく、1日数時間の週3日勤務といったアルバイトのような求人や、「短期間の社員対象の研修プログラムを作って欲しい」など、単発の仕事が多い印象です。

医療機関

医療機関

病院や診療所などの医療機関においては、医師や臨床心理士がフォローし切れない患者の家族の心の問題をサポートしたり、あるいは医療従事者のメンタルケアを行う「ソーシャルワーカー」として、相談員のような役割を担います。

近年、小児内科や歯科、耳鼻科などの個人クリニックにおいて、メンタルヘルスの大切さについての理解が徐々に深まってきました。求人はまだまだ多くありませんが、医療機関における心理カウンセラーの需要は、確実に高まってきていると言えます。

また、介護や福祉の現場においても、施設を利用する入居者、介護士や看護師のストレスケアを行う相談員としての重要があります。

平均年収
雇用形態や企業規模にもよりますが、およそ200万円~380万円です。
求人状況
多くの場合は「非常勤」で、正社員として募集しているところはとても少ないというのが現状です。ただし、看護資格や心理資格保有者はかなり優遇される傾向にあります。

地方自治体

地方自治体

地方自治体というのは、たとえば「児童福祉施設」や「児童相談所」、「身体障害者更生相談所」や「知的障害者更生相談所」、「福祉センター」や「支援センター」などの公的機関を指します。こうした施設で「児童心理司」や「心理判定員」として働くためには、心理系地方公務員試験または福祉系地方公務員試験を受験し、一次試験・二次試験・面接などを経て、採用されなければなりません。

地方公務員試験の受験資格は自治体により異なりますが、「35歳未満」というような年齢制限が一般的で、特別な資格保有者や学歴などを課すケースというのは稀です。ただし、試験内容は教養試験40題+専門試験40題+論文試験+適性検査など多岐に渡り、難易度も決して低くはありませんので、受験者は充分に時間をかけて試験勉強をする必要があります。

公務員試験を受験せずに児童福祉事業に従事する道としては、たとえば保育園や学童保育の「保育補助」というようなアルバイトやパートタイムが挙げられます。「子育て経験のある方なら資格はなくてもOK」という求人募集も多いので、まずはそうしたところから始めて実務経験を積むのもいいでしょう。

ちなみに、学童のアルバイトでも2年間勤め上げれば「児童指導員」になるための「高等学校を卒業したもので2年以上児童福祉事業に従事したもの」という要件を満たすことができるので、将来的にステップアップを考える人などにもお勧めです。

平均年収
「児童指導員」や「心理判定員」などに従事する場合、年収は400万円~500万円程度が平均です。
求人状況
心理系地方公務員試験または福祉系地方公務員試験合格者であれば、ほぼ100%いずれかの施設において採用となります。試験を受けずに働く場合、保育園や学童保育などの「保育補助」などが挙げられますが、多くの場合は「非常勤」で、資格保有者や子育て経験者が条件となっています。

教育機関

教育機関

主に地域の小学校・中学校において、児童・生徒が学校に通う中で起こるクラスメイトや部活仲間とのトラブル、教師との衝突、恋愛の悩みなどによる心の負担を軽減するための「スクールカウンセラー」として、子どもたちが健やかな学校生活を送るための環境づくりや、「いじめ」「不登校」といった学校問題に取り組む役割を担います。

学校において常に「第三者」であるスクールカウンセラーは、教師のように児童・生徒を注意したり評価したりする立場にないため、中立の立場で話を聞いてあげられる貴重な存在です。子どもたちの心の病が取沙汰される今日、スクールカウンセラーを学校に配置・派遣する取り組みは、文部科学省などによってますます積極的に行われるようになっており、今後も拡大されていく見通しです。

近年では、発達障害のある子どものサポートや、子どもたちだけでなく教師や保護者といった大人たちに対しても働きかけ、虐待問題などに取り組むスクールカウンセラーもいるなど、将来的に仕事の幅や活躍の機会が広がっていくことも期待されています。

公立の学校の場合、地方自治体が直接雇うケースであれば、前章で述べた「公務員試験」を受験し、公務員として働くことになりますが、そうでない場合は民間の企業と契約し、公立または私立の学校に派遣してもらうというケースがほとんどで、「派遣社員」もしくは「非常勤職員」という立場で働くこととなります。雇用先は拡充されても、雇用環境や待遇には多くの課題が残っていると言えますね。

平均年収
「スクールカウンセラー」として学校に勤務する場合、年収は300万円~350万円程度が平均です。
求人状況
公立の学校の場合、募集要項はかなり厳しいところから比較的緩やかなところまで自治体によってまちまちですが、ほとんどの受験者は「臨床心理士」や「公認心理師」の資格を取得しています。民間企業の派遣社員の場合、必ずしも資格保有者ばかりではありませんが、何らかの心理資格を保有していると有利です。

個人事業主

個人事業主

心理カウンセラーは、開業準備が簡単で、資金もそこまでかからないことから、比較的独立しやすい業種であると言えるでしょう。個人カウンセリングルームを開業する場合、勤務条件などは自由に決められるため、積極的に運営することも、副業として活動することもできます。

経営者となって事業を立ち上げ、展開させていくためには、宣伝や集客、経営マーケティングなど、事業の立ち上げから運用に伴うあらゆる知識や技術について学び、そのノウハウを身に付ける必要があるため、成功するのは決して簡単なことではありませんが、成果を出すことができればカウンセリングスクールを開業したりと可能性は無限に広がりますね。

料金形態はカウンセリングルームによって異なりますが、1回当たり30分~90分などで区切り、5,000円~10,000円前後に設定されていることが多いようです。顧客が獲得できなければ収入が見込めませんが、リピーターが増え毎日コンスタントに予約が入るようになれば安定した収入が得られるようになるでしょう。

独立開業手続きについては、税務署に開業届を提出するのみ。屋号に「クリニック」などの文言を使うことは法律に違反するため、分かりやすく覚えてもらいやすい名前を考えておきましょう。

平均年収
料金体系や集客の状況によって異なります。仮にカウンセリング1回の料金が8,000円だった場合、年間休日120日で1日2件の相談件数をこなせば、年収は392万円です。
求人状況
「独立カウンセラー」として、企業や医療機関、教育機関などに努めたり、民間の派遣会社などに登録することができます。実務経験を積んでいる人や実績があれば優遇されるでしょう。

持っていると評価される心理資格

前章で挙げたような場面で心理カウンセラーとして働く人は、必ずしも資格保有者である必要はありません。しかし、プロとしてカウンセリング業務に従事している人は、何らかの心理資格を取得していることがほとんどです。

ここでは、数ある心理資格の中でも、持っていると役に立つ、優遇・評価される資格や、就職で有利に働く資格などをご紹介いたします。

  1. メンタルヘルス・マネジメント®検定 総務・事務職に就職する際に日本語検定や秘書技能検定を持っている人が注目されるのと同じように、経営コンサル・人事労務管理職などのリクルーティングにおいて持っていると有利になる、商工会議所の検定試験です。心理カウンセラーを目指す人にとってはあまり大きな意味を持たない検定かも知れませんが、学歴・年齢などの制限なく誰でも受験できるため、チャレンジしてみるのもいいかも知れません。
  2. メンタルケア心理士 日本学術会議協力学術研究団体メンタルケア学術学会®から指定を受けている学術研究団体が認定する「公的学会認定資格」です。メンタルケア学術学会が定める学士・修士申請規定を満たしているか、もしくは文部科学省後援こころ検定®2級合格者で、メンタルケア学術学会指定教育機関においてメンタルケア心理士®教育課程を修了することで取得できます。上位資格として「メンタルケア心理専門士」があります。
  3. 臨床心理士 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。取得するには、大学院の修士課程で臨床心理学に関する専門知識を身につけ、技能訓練を受けたうえで資格試験に合格する必要があります。定期的に学会や研修会に参加し、5年ごとに資格を更新する必要があります。
  4. 認定心理士 社団法人日本心理学会が認定する民間資格で、学会が指定する単位を大学で履修することで取得できます。臨床心理士のように専門的な知識と技術の取得を保証するための資格ではなく、大学で心理学を学んだという証明であり、試験を受ける必要はありません。
  5. 産業カウンセラー 一般社団法人日本産業カウンセラー協会の認定する民間資格です。産業カウンセラー協会の実施する養成講座を終了するか、もしくは4年制大学学部において心理学または心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの名称を冠する学部または専攻・課程を卒業し、試験に合格することで取得できます。
  6. 公認心理師 心理資格で唯一の国家資格です。取得するには、「大学および大学院で必要科目を修了」もしくは「大学で必要科目を修了し、文部科学省・厚生労働省の指定する施設で2年以上の実務経験」の条件を満たした上で、国家試験を受験する必要があります。
それぞれの資格について詳しくはこちら

心理カウンセラーはどんな業界・職種でも実務経験を積むことができる

心理カウンセラーはどんな業界・職種でも実務経験を積むことができる

心理資格保有者は、必ずしも心理カウンセラーとして働く人ばかりかと言えば、そうではありません。資格を取得するために勉強して得た知識は、「1億総カウンセリング時代」といわれる現代のストレス社会において、どこに行っても活かすことができます。

たとえば企業の総務や人事の仕事においては、人材の採用、教育・研修、会議や社内のイベントなどの企画や運営といった様々な場面において、社員の能力を最大限に引き出すサポートを行ったり、心のケアを行うことで、会社組織の発展に貢献することができます。

営業職では傾聴スキルを活かし、顧客のニーズを引き出すことで満足度を高めることができますし、管理職なら部下の悩みや心の問題に寄り添うことでその解決をサポートし、より高いパフォーマンスを産み出せる人材へと成長を促すこともできるでしょう。

コンビニのアルバイトやお惣菜店のパートタイムでも、同僚の愚痴や相談に乗って悩みやストレスを解消することで、人間関係を円滑にし、より働きやすい職場環境を整えることができるかも知れません。

このように、身に付けた技術や知識を様々な場面で活かし、実践を繰り返していくことで、多種多様なクライアントの悩みにきちんと対応できるカウセリングスキルが身に付き、自信も培われ、結果的に心理カウンセラーとしてのステップアップにつながるということもあるのです。

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